
┃台湾三大節句のひとつ、端午節
2026年の台湾の端午節は、6月19日(金)。旧暦5月5日にあたるこの日は、春節、中秋節と並ぶ台湾三大節句のひとつとして、今も大切にされています。日本では5月5日の「こどもの日」として親しまれる端午の節句ですが、台湾の端午節は、家族で粽子を食べたり、ドラゴンボートレースを楽しんだり、ヨモギや菖蒲を飾ったりと、夏を迎える暮らしの行事として色濃く受け継がれています。
端午節の頃は、二十四節気でいえば芒種を過ぎ、空気に湿り気が増し、日差しも少しずつ夏の強さを帯びてくる時期です。かつての暮らしでは、暑さや湿気が増す季節は、体調を崩しやすい時期として意識されてきました。そのため端午節には、食べものや香り、植物の力を借りながら、家の中を整え、健やかな夏を願う知恵が重ねられていったのです。
台湾の端午節を知ると、日本の端午の節句と似ているところもあれば、まったく違うところも見えてきます。どちらも季節の節目に植物を用い、家族の無事を願う行事でありながら、台湾ではより強く「夏を迎えるための厄除け」「暮らしを清める日」としての意味が残されています。
(台北市観光傳播局HP掲載画像より引用)
┃端午節はこうして語り継がれてきた
端午節の由来として、もっともよく知られているのが、古代中国・楚の政治家であり詩人でもあった屈原(くつげん)の物語です。屈原は国を思う忠臣として知られ、後に川へ身を投じたと伝えられています。その死を悼んだ人々が、船を漕いで川へ向かい、魚が屈原の体を傷つけないようにと、竹の葉に包んだ米を川へ投げ入れたという言い伝えが残っています。
この物語が、端午節に粽子を食べ、ドラゴンボートレースを行う風習と結びついていきました。水面を力強く進む龍舟は、ただの競技ではなく、人々の祈りや記憶を乗せた行事でもあります。台湾各地では端午節の時期になると、ドラゴンボート大会が開かれ、太鼓の音に合わせて漕ぎ手たちが息をそろえる姿を見ることができます。
もちろん、端午節の起源には屈原の物語だけでなく、古くからの季節行事や厄除けの習慣も重なっていると考えられています。暑さと湿気が強まる旧暦5月に、香りのある草を用い、家の入口を整え、食を通して家族の無事を願う。その積み重なりの中で、端午節は台湾の暮らしに深く根づいてきました。

┃台湾の粽子は、おこわのようなごちそう
端午節に欠かせない食べものといえば、粽子(ちまき)です。日本で「ちまき」と聞くと、細長い和菓子のようなものを思い浮かべる方も多いかもしれません。けれど台湾の粽子は、笹や竹の葉で三角形に包まれた、おこわのような食事系のちまきです。もち米の中に豚肉、しいたけ、栗、ピーナッツ、塩漬け卵の黄身などを入れ、香り高く仕上げます。
台湾の粽子には、地域ごとの違いもあります。北部の粽子は、もち米や具材を一度炒めてから葉で包み、蒸して仕上げることが多く、しっかりとした味わいが特徴です。一方、南部では、生のもち米や具材を包んでから茹でることが多く、しっとりとやわらかい口あたりになります。同じ粽子でも、北部と南部で食感や香り、味の印象が変わるところに、台湾の食文化の奥行きがあります。
端午節が近づくと、台湾の市場や店先には粽子が並び、家庭でもそれぞれの味が受け継がれます。ひもで結ばれた粽子がいくつも吊るされている風景は、台湾の端午節らしい季節のしるしです。日本でも中華街や台湾料理店などで、この時期に粽子を見かけることがあります。機会があれば、ぜひ台湾の端午節の味として楽しんでみてください。

┃台湾ではヨモギを飾り、日本ではヨモギを食べる
端午節のもう一つの大切な習わしが、ヨモギ(艾草)と菖蒲を玄関先に飾ることです。台湾では、端午節の時期にヨモギや菖蒲を束ね、家の入口に掛ける風習があります。香りのある植物を家の入口に飾ることで、夏の湿気や不浄を遠ざけ、家族の無事を願うという意味が込められてきました。
菖蒲は細く鋭い葉の形から、剣に見立てられることがあります。ヨモギは、独特の青々とした香りを持ち、台湾でも日本でも古くから暮らしの中で親しまれてきた草です。端午節にこの二つを飾ることは、ただの飾りつけではなく、季節の変わり目に家の空気を整えるための、昔ながらの知恵でもあります。
日本の端午の節句では、地域によって草餅や柏餅、和菓子のちまきを食べる習慣があります。ヨモギを練り込んだ草餅には、春から初夏にかけての草の香りがあり、植物の生命力をいただくような感覚があります。台湾ではヨモギを飾り、日本ではヨモギを食べる。形は違っても、香りのある植物を通じて季節を迎え、家族の健やかな日々を願う気持ちは、どこか通じ合っています。
┃端午節の頃、台湾で親しまれるヨモギの香り
台湾のユアンでも、端午節の頃になると、ヨモギにまつわる商品があらためて注目されます。ヨモギは台湾の暮らしの中でもなじみ深い植物で、端午節の飾りや季節の習わしと結びつきながら、香りの記憶として受け継がれてきました。すっきりとした青みのある香りは、湿気の多い季節に気分を切り替えたいときにもよく合います。
ユアンのヨモギシリーズは、ソープ、ボディウォッシュ、ヘアケア、オーラルケア、スキンケア、ハンドクリーム、入浴料など、日常のさまざまな場面に取り入れやすいラインです。肌をすっきり洗い上げたいとき、バスタイムで草本の香りを感じたいとき、手洗いや日々のケアを少し丁寧にしたいとき。端午節の季節に親しまれてきたヨモギの気配を、現代の暮らしに寄り添う形で楽しんでいただけます。
なかでもヨモギソープは、ユアンの中でも長く愛されてきた一品です。植物の香りを感じながら、肌を清潔に洗い上げ、日々のケアを心地よく整えます。端午節の伝統そのものを再現するわけではありませんが、ヨモギという植物が持つ季節感を、毎日の洗う時間に取り入れることで、台湾の暮らしに息づく感覚を少し身近に感じていただけるかもしれません。
┃台湾式の端午節を、暮らしの中に少しだけ
日本の端午の節句は5月5日に過ぎていますが、台湾では旧暦に合わせて、2026年は6月19日(金)に端午節を迎えます。季節は少し進み、梅雨の気配や夏の湿度を感じる頃。そんな時期に、粽子を味わったり、ヨモギや菖蒲の由来を知ったり、草本の香りを日々のケアに取り入れてみるのも、台湾らしい季節の楽しみ方です。
端午節は、にぎやかな祭りであると同時に、家族の無事を願い、暮らしを整え、夏を迎えるための静かな節目でもあります。台湾の文化に触れながら、今年は少しだけ台湾式に、季節の変わり目を過ごしてみませんか。ユアンのヨモギの香りが、その小さなきっかけになればうれしく思います。
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